スズキ・アドレス110 改善対策 クランクシャフトの交換①
ようやく長かった緊急事態宣言も解除されて、まずはホッとしております。
当店の周りでも、まだまだ人の動きが戻っていないように感じますので、
早くいつも通りの日常が戻ってきて欲しいものですね。
さて、この度はスズキ・アドレス110の改善対策作業を実施しました。
時間の掛かる作業ですので、却ってこの閑散な状態で良くも悪くも助かっている
のかも。
今回の改善対策は、発電機側クランクシャフトのテーパ加工が不適切なので、
ジェネレーターロータが正しく嵌まらなくなり、クランクシャフトが破損し、
走行不能になるといったものです。
まずクランクシャフトのテーパ部のフレッティングを確認します。
ロータとシャフトの接触面の傷幅が8mm未満であれば、シャフトは問題なし。
その後、ダイヤルゲージを用いてテーパ部の振れを測定し、基準値外であれば
ロータを交換。基準値内であれば、問題なしとして組み直しをします。
フレッティングとは、2つの物体の接触面が極めて小さい振動によって生じる
表面傷のことを指します。
上の車両は綺麗なテーパ部で、シャフトの触れも基準値内でした。
今回作業する車両はこんな感じで、基準値を大幅に超えており、振動によって
テーパ部表面が損傷し、発生した摩耗粉が錆を生じさせています。
クランクシャフトを交換することとなりました。